皆さんはナナフシについて考えたことってありますかね?
はっきり言って影の薄い昆虫なので、あまり注目されることは少ないと思うんですよね。
でも調べてみると、これまた面白い生態をしているんです。
そんなナナフシのこと、知っていただきたいのでご紹介しますね。
ナナフシの生態と豆知識
パッと見た目では、ただの枝にしか見えないナナフシ。
その擬態能力も素晴らしいですが、それだけではないんです。
とりあえす、ナナフシの顏を見てみましょう。
ナナフシの擬態やりすぎ疑惑
自分を他の物の形や色に似せる事を「擬態」と言いますが、当然クオリティはそれぞれ違います。
擬態能力を持った数多くの生き物の中でも、ナナフシは相当上位にいます。
どうでしょう?ナナフシは自分自身を木の枝に似せているわけですが、やり過ぎというくらい似てると思いませんか?
これからナナフシの驚異の擬態能力を紐解いていきます。
外見が似すぎ
とりあえず、外見が枝にクリソツです。
細くて節のある胴体を持っていて、お腹の部分には節がたくさんあります。
でも名前のように七つだけではないんですね。
大体脚の数は6本ですが、ちょうど節の部分から細い脚が出ています。
そんなところも枝に似ていますね。
そして、私が一押しのポイントは「一番前の脚」です。
その根元の形状に注目してください。
よくナナフシは前足をバンザイしたような姿勢で枝になりきることがあります。その時に顏と干渉しないように、脚の根元の部分が顏にジャスフィットするようになっているんですよ!
これはとてもいいフォルムですよ。
卵も似すぎ
実は身体だけじゃなくて、卵も擬態しているんですね。
その形はまるで「植物の種」のようです。なんか蓋が付いているように見えます。
そして産卵の仕方も変わっていて、ナナフシは卵を地面に撒くように産むことが多いそうです。撒かれた卵はそのまま孵ることもありますが、鳥などに食べられてしまうこともあります。
というか、食べられるために種に化けている可能性がありそうです。
食べられてしまっても硬い殻で守られたナナフシの卵はあまり問題無いようですよ。
鳥に食べられて遠くまで移動し、フンとなって地上に返り咲く。
春になったらその卵は孵化します。
翅をもたないナナフシが遠くまで繁殖域を広げるには、ベストな方法かもしれませんね。
動きが似すぎ
普段はゆっくり動いているナナフシですが、驚いたり、敵を近くに感じると左右に揺れながら移動します。
これも、木の枝などが風で揺れる動きを再現しているのでしょう。
揺れながら動くのにも理由があります。
ナナフシの天敵は鳥ですが、鳥は効率的に餌を見つけるために、枝や葉っぱのような動きをするものは無視できるようになっているというのです。
その習性を逆手に取った、ナナフシはなんて素晴らしいと思いませんか?
再生能力もなかなかナナフシ
基本的に隠れる・逃げる戦法のナナフシですが、再生能力があります。
もし、敵に脚を取られてしまっても若いナナフシであれば、再生することが可能です。少し短くなってしまうそうですが…
ちなみに、脱皮するときや、狭い隙間に足が挟まってしまった時なども足が取れてしまうことがあるそうなので、飼育したい人は気を付けてくださいね。
あんまり散らかった場所ではうっかり脚を挟んでしまうかもしれませんよ。
和名と学名のなぞ
ナナフシの中に「ナナフシモドキ」と呼ばれる種類があります。
モドキっていうと、似ているけど違う種類って意味ですよね。
モドキと調べると「カマキリモドキ」が出てきますが、こちらはカマキリではないモドキ。
じゃあ、ナナフシモドキはナナフシじゃないのかというと、ちゃんとしたナナフシなんです。
ナナフシモドキのナナフシとは、昆虫名のナナフシではなく、「木の枝」のことを指しているとのことです。ナナフシって昆虫がいるのに紛らわしいですよね?
まぁ、人がつけた名前なので、深い意味はないですから気にしないほうがいいでしょう。
ちなみに学名は「Phasmatodea」と言いますが、ネットではphasmaが「異様なもの」を意味すると出てきます。
私は古代ギリシャ語の「幽霊」や「幻影」から来ているのではないかと思われますが、どうでしょう?
知っている人がいたら教えてください。
まとめ 逃げるの遅い、攻撃力無いからこその能力
長い脚をもっていても、動きが遅い。敵を攻撃する武器も持っていない。
そんなナナフシだからこそ、このような擬態能力を得ることが出来たのでしょう。
生き残るために、どのような能力を選ぶのか?
その経緯に思いをはせるのは楽しいですね。
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