エイリアンの起源が分かりそうで分からない【プロメテウス】の考察 1/2

 

プロメテウスは映画「エイリアン」の起源を描いた物語です。

 

初めて見たときは「エイリアンのパクリじゃん」と思ったんですが、見終わった後に調べたら「エイリアン」の前日譚として企画されたものだと分かりました。

似てて当然ですよね。

すいませんした。

 

エイリアン好きとしてはすごく面白かったんですが、ぶっちゃけ訳が分からないことが多すぎです。

何度も見直していますが、マジで分からないので考察してみました。

 

※ちなみに、次作のコヴェナントの内容は加味していません、プロメテウスの中だけで考えています。

  

プロメテウス(Prometheus)とは

この映画と宇宙探査船の名前になっている「プロメテウス(Prometheus)」というのはギリシャ神話に出てくる神の名前です。

 

とりあえず、ギリシャ神話におけるプロメテウスと人間の関係をざっとまとめたので簡単に見てみましょう。 

 

プロメテウスは全知全能の神であるゼウスに頼まれて人間を作りました。

作ったといっても粘土をこねて人間の形を作っただけで、粘土人形に命を吹き込んだのはゼウスです。

ドラゴンボールだと神龍を作ったミスターポポと神様みたいな感じ。

 

私たちを見ても分かるように、人間は他の動物たちと比べると爪や牙もなく、毛皮もないため貧弱でバタバタと死んで行きました。

そこで、人間が生活していけるように「家や道具を作ること」「作物や家畜のこと」など生活をする上で必要な様々な知恵をプロメテウスが教えました。

 

ただし、ゼウスから

人間には火を教えてはいけない。火を使うるようになった人間は我々にとって脅威になる。もし、この言いつけを破ったらお前には恐ろしい罰を与える。」

と言われていました。

 

しかし、火を使えないと焼いたり煮たりできないし、作れる道具も制限され、冬の寒さも凍えて過ごすことになります。

人間を世話するうちに人間を愛してしまったプロメテウスは、ゼウスの言いつけを破って火を与えてくれます。

 

火を使い始めた人間は力を増していきますが、立ち上る煙でゼウスにばれてしまいます。

※ちなみに、プロメテウスは「先に考える者」という意味で、遠い未来を見通すことができる能力を持っています。

 

ゼウスから罰を受けることになったプロメテウスですが、その能力でゼウスに忠告します。

「後に現れる強大な敵を倒す勇者があなた(ゼウス)と人間の間に生まれるから、人間を滅ぼすのはやめなさい。」
「ゼウスはいつまでも王として君臨してはいられない。わたしはその秘密を知っている。」

これを聞いたゼウスは怒り、プロメテウスはコーカサスの山に縛り付けにされ、さらに毎日大鷲に内臓をついばまれるという罰を受け続けることになります。

※ちなみにゼウスが人間たちを作ったのは、神殿を建てて神々を崇めてもらいたいから。

 

このように、プロメテウスは人間にとっては自分を犠牲にしてまで火を与えてくれた味方です。

映画冒頭のシーンで、エンジニアが自分の身を崩しながら地球に新しい生物のきっかけを落としたこともそうですが、世界各地の壁画にもあったようにエンジニアたちは人類とコンタクトを取っており、そこで人類は色々な情報をもらっている可能性が高いです。

 

そういったことから

人類の創造主・救世主=エンジニア=プロメテウス

というのが今回のタイトルとなっています。

 

デヴィッドには魂(ソウル)がない?

ウェイランドは「デヴィッドは人間ではないから老いや死に無縁。しかし、その幸せを理解していない。何故なら“魂”を持っていないから。」と言っています。

 

これは正しいのか?

 

彼の言う魂の定義は分からないですが、この場合の解釈は「魂=人間らしさ」と考えます。

では“人間らしさを強く感じるのはどういう人か?”というのを考えてみると

  • 自己中心的
  • だらしない
  • ミスや勘違いが多い

など、私は結構ダメな部分から「人間らしさ」を感じることが多いです。

太ると分かってお菓子を食べたり、やらなければいけないことを先延ばしにしたり…

これらは感情を優先した結果で、感情とは欲求や想像力、ある種の欠陥からくるものだと思います。

 

デヴィッドはアンドロイドなので記憶や学習能力は人間以上ですが、彼の言動を見るかぎり感情があるように感じられ、その様子は色々なシーンで散見されます。

やっと着いたw
© 2020 Twentieth Century Fox Film Corporation.

 

  • プロメテウス号から目的の惑星LV-223を初めて見た時
  • ウェイランドに「息子同然」と紹介された時
  • ソウルを持っていないと言われた時
  • ホロウェイに「人間じゃないことを忘れていた」と言われた時

 

動作に関しても、デヴィッドの場合はムダの少ない、いかにもアンドロイドやロボットのような仕草をしていますが、最初から効率のいい動作を学習していればそうなってしまうのも理解できます。

人それぞれで歩き方が違ったり癖があったりするのは、成長する過程での筋肉や神経の発達、動かし方の学習などが違うからだと思います。

経験をかさねて達観すればするほど、人間らしさは外から確認するのは難しくなっていくでしょう。

 

ウェイランドは否定していますが、デヴィッドに“魂”は存在しているはずです。

 

あの筒に入った病原体は何?

エイリアンが生まれる元となった、あの花瓶のような筒に入った病原体はいったい何なのか?について考えましょう。

 

容器の中に入っていた病原体(アンプルの中身)は、ホロウェイの症状からもわかる通り、人類やそれに近い生物を抹殺する生物兵器だというのは間違いなさそうですが、色々と分からないことだらけなので整理していきます。

 

病原体と黒い液体と容器

まずは、あの筒型の容器についてです。

黒い液体は見た目や質感から、中に入っている病原体と同一のものとは考えにくいです。

ミルバーンが襲われた白い蛇のような生物は、フタから出てきた黒い液体にミルワームが感染して変化したもよう。

ということは、黒い液体は中の病原体が変化したものだと考えることができます。

 

あれが溢れ出てきたきっかけになったのは、シャッターを開けて中に入ったことです。

2000年間閉じられていたシャッターが開いて変わったことといえば、空気とか人の気配などです。

感覚的には、テラフォーミング化された大気が流れ込んできて反応したようなので、地球(やエンジニアの星)の大気を感知すると反応するようになっていたのではないでしょうか。

フタの部分がマジで謎

あの筒は単なる容器ではなくて「あるスイッチが入ると中のゲル状のものと病原体が混ざり合って“黒い液体”になり流れ出す装置のようなもの」だと想像します。

 

被害者の皆さんの症状

とりあえず、被害者と症状をまとめてみました。

対象原因症状
ミルワーム筒から流れ出た黒い液体蛇のような生物が生まれる
エンジニア内側から爆裂
ホロウェイ瓶の中の病原体体が劣化する
ショウホロウェイの精液妊娠(寄生生物が生まれる)
ミルバーン蛇のような生物に襲われる窒息死
ファイフィールド筒から流れ出た黒い液体ゾンビ化
エンジニア寄生生物エイリアンの元祖誕生

これを見ても、同じ条件がないので全く分かりません。

なので勝手に仮説を立てていきます。

 

黒い液体に感染

唯一、同じ原因かもと思われるのはミルワームとファイフィールドで「黒い液体」に感染しています。

ファイフィールドのゾンビ化については詳細が描かれていないのですが、何かの影響を受けたとすれば「黒い液体」しか考えられません。

同じ「黒い液体」に浸かっていた“ミルワーム”からは蛇のような生物が生まれたので、症状に一貫性がありませんが、種族ごとで作用が異なると考えれば、まぁなんとかなるかなと思います。

こんなもん触ろうとするなよ
© 2020 Twentieth Century Fox Film Corporation.

 

人間の時はゾンビ化するが、ミルワームのような人間以外の生物に感染すると攻撃性の高い生物が生まれる。

つまり、攻撃性特化型の何かを生み出す。

といった具合ではないでしょうか。

 

エンジニア達は感染後に新たなモンスターを生み出すような実験をしていたが、当時は虫程度の生物に関してのみ、新たなモンスターを生み出すことに成功した。

しかし、人型のように少し複雑な生物は狂暴化するだけにとどまっていた。

 

病原体に直接感染

結論から言うと、死んでいたエンジニア達も直接病原体に感染していたと考えられます。

 

なんでかというと、デヴィッドがホロウェイにその方法を試したからです。

うっすら洞窟の文字を理解していたであろうデヴィッドは、あの洞窟内でエンジニア達に起こったことを再現しようとしてホロウェイに感染させた。

そう考えるとしっくりきます。 

やっちまうか
© 2020 Twentieth Century Fox Film Corporation.

 

デヴィッドが被り物をして「私にさせてください。」「幸い未成熟でした。」と独り言を言っているシーンがありますが、あれ多分ウェイランドと話していますよね。

 

デヴィッドはあの筒の中の病原菌を感染させると、感染者に何らかの変化があると分かっていました。

なので、あの会話の内容は

「あの病原菌を人間に感染させるとどうなるのか?確かめる役は私にさせてください。

だと思います。

ウェイランドには「ちょい待て」と言われたようでしたが、結局デヴィッドは辛抱たまらんくなってホロウェイに勝手に飲ませたんじゃないですかね。

 

もう一つは、あの病原菌は開発途中のものであり、ウェイランドは感染した最終的な成果として、なにか素晴らしい反応(不老不死とか)が起きることを期待していたのではないかとはないかと思います。

だから最後の言葉は、ウェイランドに

「せっかくのサンプル(生首)を持ってきたのに爆発させてしまうとは…」

とか言われて

「あのエンジニアの生首は爆発してしまったが、成果物を確認できるような成熟した状態ではなかった。幸い未成熟でした。

ということです。

 

ホロウェイは爆発する前に死んでしまいましたが、最終的には爆発していたと思われます。

つまり、アンプルの中に入った病原体に感染すると体の中で細胞が増殖し、最終的に爆発する。

ということになります。

 

ショウが妊娠した寄生生物

これって完全に“精子”から連想しましたよね?って形です。

ショウの不妊原因がなにか分かりませんが、生まれてきた寄生生物は人の形とは明らかにかけ離れているので、卵子と受精してどうこうなったわけではなく「感染した精液が子宮に入り、そこで母体から養分を吸い取って成長した。」という感じです。

 

多分このような生物が生まれることは、エンジニア達にとっても想定外だったと思います。

 

この建物の目的は何?

この惑星LV-223に建っている建物はそもそも何なのか?

建物の状況を見てみると想像できます。 

  • 大量のエンジニア達の死体が山のように積み上げられていた。
  • 逃げているエンジニア達の姿が記録されていた。
  • エンジニアは何かに感染していた。
  • 建物の外は毒ガスなので出ることができない。

以上のことから想像できるのは、罪人を強制的に連れてきて閉じ込め、病原体を感染させて、その記録を取り調査する施設です。

ヤネック船長が言うように「生物兵器の実験施設」と考えるのが妥当のようです。

 

つづく。

 

 

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本ページの情報は20年6月時点のものです。
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