初のドラム式洗濯機として、シャープのES-S7Eを購入して使っていましたが、1年を超えたあたりから脱水の時にうるさくなってきました。
初めは違和感程度の音でしたが、段々はっきり「異音」と認識できるほどの音に。
5~6年は使えると思っていたのに…いくらなんでも1年故障って。
非常にムカつきますね。
同然、メーカー補償はすでに切れています。
ということで修理をしなくてはならないのですが、業者に依頼をすると高くなるのは必至。
なので自分で交換しました。
結果はめちゃくちゃ静かになりまた。※むしろ最初より静かになった気がする
異音の原因はベアリング
ネットで情報を集めてみると、多くのサイトではサスペンションの劣化による振動や異音が原因だったという記事が多く見られたので、後ろを開けてみましたがサスペンションは健在。
となると、音の出るところはベアリングくらいなんですよね。
ベアリング自体は汎用品を使っていると思うので、価格は安いですが、交換作業にちと手間がかかります。
メーカーのホームページで概算費用を見てみると、場所的にモーター、ドラムキットあたりになると思います。
料金は5~8万。
た、たけぇ…
メインモーター、ドラムキット、乾燥ユニット、ヒートポンプユニットの交換:出張修理料金の目安
79,200円~52,800円(税込)
シャープHPより
おそらくメーカーに頼むとベアリングのハマった洗濯槽そのもの「ドラムキット」をAssyで交換になるってことなんでしょう。
確かこの洗濯機自体15万くらいで購入しているはずなので、原因の分かっている修理にそんなに出せないですよ。
しかも槽はまだまだ使えますから。
ベアリングがダメなだけで。
百歩譲って、そんだけ金を出すなら別機種に買い換えたいところ。
ですが、そもそもマンションの狭い洗濯機スペースに入るドラム式洗濯機はかなり限られているので、実質これしか選択肢がないんですよね。
分解して分かりましたが、同じような症状になった人が多いのではないかと思います。
自分で直したい人は参考になるかもしれません、自己責任で直してみてください。
とりあえず分解
ちょろっとネットを探したけど図面は無かったので、とりあえず分解してみました。
カバーの分解はネジで止まっているだけなので特に問題無いと思います。
天板のシールをはがして、その他引き出しなどに隠れているネジを外せばばらせます。
スイッチの部分も上側のネジ3本で止まっているので外したら、上方向にずらします。
あとは適当にネジを外して、配線やホースなども一緒に外して行きます。
そうこうしていると金属プレートまで来ました。
ゴムのパッキンのようなものは、ばね付きの針金の状のものでクロスして留まっています。
ペンチか何かでばねの方から外せば難なく外れます。
で、プレートを外したら樹脂の洗濯槽が見えてきます。
この樹脂製の洗濯槽の前側にはカバーが付いていて、それを外さないと中のドラム本体は外せない構造になっています。
電動インパクトかラチェット、ドライバー等でネジは外せますが、奥まったところにあるので、なんにせよ長いものが必要です。
インパクトなら長いビットを用意してください。
いくつか金属の重り(振動抑制のため?)が付いているので、外した方が奥のネジにアクセスしやすいです。
それでは樹脂の蓋部分を外します。
※通常は樹脂製のドラムそのものを下ろしてから色々と弄ったほうが楽だと思いますが、面倒なのとスペースが限られているので、今回私は吊るしたまま作業しました。
樹脂の前側が外れたら、後ろ側に回り、金属板を外します。
そうすると、モーターのようなものが見えます。
白い円盤状のものは中央のナットで留められています。
円盤の外周の内側には磁石が付いていて、樹脂の洗濯槽側にはコイルが取り付けられているので、モーターと同じ構造になっています。
磁石の付いた円盤を外すと下のようになっています。
中央のシャフトは中のドラム本体に直結されていますので、円盤が回る=ドラムが回るというわけです。
ドラムのシャフトと円盤は溝でハマっているだけなので、ナットを外して引っ張ると上の写真のように外れます。
シャフトはベアリングにハマっていますが、”中間ばめ”くらいなのでショックレスハンマ―などで軽く叩けは外れると思います。
私の個体は外れました。
このように。
中はこんな感じ。
ベアリングを入れ替える
ドラムが外れたらあとは古いベアリングを外して、新しいベアリングをはめ込むだけです。
ベアリングは圧入されているので、脱着にはそれなりの工具が必要です。
外す工具は近くのアストロプロダクトに行くか、アマゾンなどで購入するのが最も安いです。
アストロは通販もありますね。
圧入する工具は色々ありますが、形状的にネジで締めこめるようなものを購入するか、自作するしかないと思います。
そして、今回の目玉であるベアリングの種類です。
使用されているベアリングは2つ。
それぞれ以下のサイズです。
- モーター側(後ろ側):6305 RS
- ドラム側(洗濯槽側):6306 Z
構造的には以下のような感じになっています。
洗濯槽の中にドラムがあり、ドラムにはシャフトが直結されています。
槽側から、防水パッキン→6306→6305の順番になっていて、ベアリングにハマったシャフトだけで保持されているんですね。
そして、ドラムを抜いた後にパッキンを外してみると…
中のベアリングが水浸しになっていました。
なぜかパッキンが劣化して洗濯の水が侵入してしまったんでしょうけど。
そうでもなきゃ1年半でベアリングからこんな異音が発生するわけがないです。
使い方からしても、1年くらいは一人暮らしで使用していたので、毎日何回も欠かさず動かしていた、というわけではないので。
せいぜい1~2日置きくらいですよ。
ベアリングプーラー
ではベアリングを取り外しますが、ベアリングを抜き取るにはベアリングプーラーを使用する必要があります。
ドラムを外した後はベアリングの内側に爪をひっかけて外すタイプが良いと思います。
こんなやつですね。
6305は内径25mm、6306は内径30mmなので、それに合うものを使用しましょう。
両方取り外した後は新しいベアリングをハメるので、あらかじめ買っておく必要がありますが、種類に注意した方が良いです。
今回取り外したベアリングを見てみましょう。
後ろ側の6305「RS」と付いているのでおそらく接触シール型かと思われます。(ゴムのシールが付いている)。
接触型なら内部へゴミや水の侵入が抑えられるタイプです。
次に槽側の大きい方6306がこちらです。
6306「Z」=非接触シールドタイプです。
シールドとは、カバーをしてあるけど非接触なので、微細なゴミや水は中に侵入します。
???
防水パッキンがあるとはいえ、常に水分にさらされている洗濯槽側のベアリングがシールドタイプで、通常水に濡れることのないモーター側がシールタイプ?
なぜ?
今回のように防水パッキに不具合があった場合、すぐにそこから水が侵入してくることは分かりますよね。
そうすると、シールドもしくはオープンだったらベアリング内部に水が入ってグリスと混ざりますよ。
グリス切れのベアリングはすぐに摩耗します。
これって組間違い?それとも部品の選定ミスなのでは?
まぁそもそもは防水パッキンの不具合で水が漏れていたので、パッキンが悪いわけなんですが、もしベアリングがシールタイプだったら、もう何年か使えていた可能性があるかな~と思うんです。
保証期間が過ぎたとはいえ、こんな不具合で金をとられるのはたまりませんねぇ。
なので、今回選定したベアリングはどちらもシールタイプとしました。
ゴムシールでも“非”接触シールがありますが、接触している方が防塵防水性能に優れています。
メーカーによって表記が異なりますが、接触or軽接触が良いかなと。
非接触 | 接触 | 軽接触 | ||
NTN | 両シール | LLB | LLU | LLH |
NSK | 両シール | VV | DDU | DDW |
SKF | 両シール | 2RZ | 2RS1 | – |
NACHI | 両シール | 2NKE | 2NSL,2NSE | – |
KOYO | 両シール | 2RU | 2RS,2RK | 2RD |
ミスミ | 両シール | VV | DDU | – |
シールの色 | 黒 | 茶 | 青 |
ベアリングをハメ込むには別のベアリングプーラーが必要です。
上に上げたようなネジで締めこむタイプが使いやすいと思います。
これは専用品ではなくても、長めのボルトとコマを用意できれば自作も可能です。
要は締め付けられればいいので。
長めのボルトとナット、ワッシャーなどを組み合わせて治具を作るもよし、建築材フォームタイ(コンクリートを打ち込む際、コンクリートの圧力で型枠が開くのを防ぐもの)だとかなり安価で手に入ります。
工夫次第で出来ますので、検討する価値ありです。
何はともあれ、私の洗濯機はベアリングを交換し、無事に組み上がり直りました。
今はこんなにも静かな洗濯機だったんだと実感中。
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