怒りを抑える方法は数あれど『上手に怒る方法』については、あまり注目されることが無いので
「なかなか怒れない人が上手く怒るにはどうすればいいのか?」
について考えてみました。(というか私が実践している方法です)
アンガーマネジメントと聞くと『怒りっぽい人が怒りを抑制する手法』というイメージが強いですが、マネジメントと言うなら「必要な場面で必要なだけ怒る」方法も含まれていても良いはずです。
「怒り」は抑える事にフォーカスされがちですが、経験上、怒りが原動力になるのは間違いないため、抑えるというよりも上手く利用するというのが正しい考え方だと私は思います。
ということなので、怒りを抑えたい人は他の記事や本を読むことをお勧めします。
怒りの仕組みを知る
怒りを抑えるにしろ、利用するにしろ、コントロールするためには、まずその特性と発生する仕組みを理解する必要があります。
怒りは二次感情
アンガーマネジメント的には、私たちには直接怒りという感情が生まれるわけではなく、日常のネガティブな感情が溜まっていき、自分の許容量を超えたときに怒りが生まれるとされています。
よくコップと水で例えられることが多いですが、コップは自分の許容量、水はネガティブな感情を意味します。
誰しも生活をしていればコップに水は溜まっていきますが、溜まる早さは人それぞれ違います。
コップが大きければ溜まるまでに時間がかかりますし、水量が多ければそれだけすぐに溜まってしまいます。
またコップの水は溜まる一方ではなく、多くの人は問題が解決したり、睡眠をとったり、趣味をするなどのストレス解消を行うことによって、自然とコップ中の水は消費されていきます。
普通はそう簡単に溢れないようになっているんですね。
つまり、温和な人と短気な人の大きな違いは、コップの大きさや水量の比率(ネガティブな感情を感じるレベル)、あとストレス解消の能力によるものだと言えます。
では、次は何故ネガティブな感情を感じるかという事について考えてみます。
ネガティブその① ~すべきというルール
怒りの引き金となるネガティブな感情は、自分の中の「~すべき」や「~すべきではない」というような“ルール”が守られなかった時に強く感じます。
例えば「遅刻をするべきではない」というルールがある人は、相手がたった数分遅れたとしても真面目な謝罪が必要だと感じるでしょう。
それに何度も遅れたり、謝罪も無いようでは違和感を感じ、すぐにイライラが溜まってしまいます。
ネガティブその② 理由の決めつけ
ルールが破られたかどうかの判断や、その他要因にも“理由の決めつけ”いう行為が隠れています。
「遅刻」の理由一つとっても、単に寝坊したのか?電車が遅れたのか?家族が倒れたのか?様々な原因が考えられます。
その事象が発生した背景には「人それぞれの複雑な状況がある」ということは誰でも理解できるはずです。
にもかかわらず、怒りっぽい人はその事を忘れて何かと“決めつけ”がちです。
(どうせ寝坊したんだろ!連絡すらしないなんて、こいつは俺を舐めているに違いない!)
逆にあまり怒らない人は、多角的に物事を考えることが多く、遅れた理由を直ぐには決めつけるのではなく、色々と原因を想像したり、聞き出したりするのではないでしょうか。
以上は怒りの特性と仕組みの一例ですが、どうでしょうか?
上手く怒りを抑えられる人からすれば、納得できる事も多いと思います。(怒りっぽい人ってそうだよな。って具合に)
怒れないのはなぜか?
さて、前置きが長くなりましたが本題はここからです。
怒りを抑えることに長けている人の中には、コントロールすることに長けているというより、自分が不快感を覚えてもなかなか怒れないという人が多いと思います。
コップと蛇口のイメージだと「常に蛇口を締めた状態になっている」という感じ。
ある出来事に遭遇して違和感を覚えたとしても、怒るまでの決定的な何かが見つけられない…
瞬発的な力が働かないので、その場はなんとなく流してしまったり、謝ってしまい、後から思い返して納得できなかったり、ムカムカしたり…
争いを起こさない事は悪いことではないですが、それによって自分が損をしたり、場合によっては相手をつけ上がらせたりするのはやっぱり良くないです。
おそらくあなたが上手に怒れないのは、瞬間的な判断が出来ないから、自分の中に迷いがあるからだと思います。
怒るためには、その迷いを無くすことが解決の第一歩になるので、以下を参考にしてください。
怒る方法
それでは怒りを利用するための方法として、抑える場合と反対の事をしてみます。
自分ルールを決める
方法としては単純ですが、怒るべき状況(自分の曲げたくない部分)を先に決めておくと楽です。
例えば「遅刻をする人」が許せないと感じる場合を例に考えてみましょう。
何をした場合に怒るか? 今までイラっとした経験を基に状況や条件を設定します。
- 怒るべき状況:遅刻
- 遅刻時間は5分以上
- 3度目
これをした不届き者には怒ると決めます。
この方法の優秀なところは、先に条件を決めておくことで自分の感情への迷いが無くなります。
それに事前に予想している範疇の出来事なので、その場の爆発的な感情にも流されにくく、 怒ったとしても罵倒や恫喝に発展しにくいという利点もあります。
自分がなぜその行為が嫌なのか? あらかじめ自分の感じている不快感をまとめておく事で、それを効率的に相手に伝える事もできます。
もちろん、普通に話し合いが通じないような相手もいるので、最初から「罵倒モードになる」と決めておくのもいいでしょう。
身勝手になる
もうひとつの方法、と言うか補足になりますが「身勝手になる」という事が大切です。
今まで怒り慣れていない人は(ここで怒ったら場の空気が悪くなるかな…)だとか(自分が少し我慢すれば丸く収まるから)と考えがちですが、そういった事はこの際考えないようにしてください。
あなたが怒ると決めたルールというのは「自分が大切にしている事」なので、わがままになってもいいんです。
それに、自分が不快に感じるポイントを相手に伝えるという事は、あなたを理解してもらうきっかけにもなります。
こういった方法は、直ぐには実行できないかもしれませんが、意識していれば少しずつ変わっていきます。
最初はうまくできなくても、経験を重ねることによって徐々に上達していくはずです。
世の中には些細なことで爆発的に怒る人や、自分が間違っていても逆ギレする人も沢山いますが、私自身そんなに怒りっぽい方ではないので、そんな人を見ているとちょっとだけ羨ましさを覚えることがあります。
もちろん、その怒りを自分に向けられたらムカつくだけなんですが。
時には勢いも大事ですよね。
という事で、怒りっぽくない人もアンガーマネジメントについて調べてみるのも面白いですよ。
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